寒さには強いですが暑さにはめっぽう弱いNです。
毎日の通勤で照りつける日光にグッタリして、先日はついに
朝からデスクでかき氷を食べるという事態に。

これだけ暑い日が続くと日差しが悪、みたいになっていますが、
かつての大和製衡では日差しを利用して仕事が行われていました。

それがこちらの「のこぎり屋根工場」です。
大和製衡には今もこの工場が残されています。

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こちらは昭和29年の工場の様子です。
今、だいたい同じ位置であろうと思われるところから撮影したのがこちら。

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そのままの形状で残っていることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
今は一部が倉庫として使用されているほか、
粉体実験室として活用されています。

この独特な屋根は「のこぎり屋根」と呼ばれるもので、
なかなか見ることができなくなってきています。
なぜこのような形なのでしょうか。

ルーツはイギリスにあります。1820年後半頃から出現し、
日本では1883年(明治16年)に最初ののこぎり屋根工場が登場しました。
主に、紡績関係の工場で採用されました。

のこぎり屋根はなぜ優れているのかと言いますと…
北側に採光面があり、そこから光を取り入れることができる」
北からの光を取り入れる理由は直接日光が差し込むのを抑え、
間接光のため日中の光量の変化が少なく、安定した光源が得られるからです。

特に採用されていた紡績工場では、
糸の色の組合せや布の柄をチェックするために、最適だったというわけですね。

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太陽光発電のソーラーパネルのイメージで、
広い斜面の方から光をとっているのかなと
思っていましたが、短い直線の部分から採光しています。
なるほど、たしかにこちらが北側です。
(上の写真で向かって右側が北です)

ちなみに、稀に南側に採光窓がついているのこぎり屋根があるそうです。
南側についている理由は専門家の知識をもってしても不明だそうです。

ところで、のこぎり屋根の形状をどこかで見たことがあるな、と
思った方も多いのではないでしょうか。
遠い昔に小学校で習ったような…地図記号?と考えたのですが
工場の地図記号って太陽のような記号ですよね。

じゃあこれはなに?と思って調べてみました。

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同じような疑問を持った人は多いようでヤフー知恵袋や
グーグル検索にもみんなの知的好奇心の跡が…。

最近変わったの?と思ったら今から130年前の1887年頃から工場はあの太陽の記号。
(ちなみに、太陽ではなく機械の部品の歯車を表しています)

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スマホで言うところの「設定」のアイコンですね。
一部ネットの情報では「工場の地図記号が廃止になった」という
情報が流れて話題になっていたようですが、真相を確認したかったので
国土地理院総合窓口のM様に質問してみました。

N:工場の地図記号は廃止になったのでしょうか?
M様:厳密に言うと廃止ではありません。平成25年の図式から
25000分の1以上の地図、電子地図の中に工場の地図記号を記載するのをやめました。
その代わりに、工場の名称を書くようになりました。


N:なるほど!それは工場の地図記号だけですか?
M様:自衛隊基地などもですね。

000028273*自衛隊はこんな地図記号。


N:私も含めてネット上ではのこぎり屋根の工場の記号を
学校で習ったような気がする、という人が存在するのですが。
アレは何だったのでしょうか。

M様:うーん、のこぎり屋根の記号…ですか…?
地図記号が制定された明治時代から工場の記号は変わっていませんね。


N:う…(ここで自分がおかしなことを質問しているのかも…と感じるN)
では、一部の人が「工場の地図記号」として誤認識しているのは
「絵文字的な単なるイラスト」ということでしょうか。
M様:そういうことになりますね。
N:とってもスッキリしました!ありがとうございます。

つまり、整理するとこういうことです。
「工場」を表す「地図記号」は130年一度も変わらず、歯車のマークだけれど、
「工場」を分かりやすく図案化したイラスト、つまり今で言うところの
「絵文字」がのこぎり屋根のイラストだったということです。

間違った記憶
こういう状態を見ると、「工場=のこぎり屋根」という
認識が子供たちの間で生まれてしまうのは想像がつきます。
逆に言うと要注意の「引っ掛け問題」になりやすいということですね。
テストに出やすいところと言えるかもしれません。

ちなみに、M様によるとここ数年の間に、新しく追加された地図記号もあるそうです。
老人ホーム、博物館、図書館、風車、電子基準点など。
工場の地図記号自体は廃止になっていないので、
みなさま、お間違いのないように(^▽^)

N