こんにちは!展示会から元気に戻ってきたNです。

先日、大和製衡と同じく「川西機械製作所」にルーツを持つ
新明和工業のOBの皆さんにバスツアーで大和製衡にお越しいただきました。
(↑こちらのページから沿革がご覧いただけます)

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その中には以前、Nがご挨拶させていただいたことのある方もいらっしゃいました。
川西機械製作所の創業は1920年なので、100周年である2020年を迎える前に
歴史資料の共有などのために何度かお話をさせていただいていたのです。

それがきっかけとなり、新しい歴史文献が見つかったり、
作成した際には情報を共有する関係となったのですが、
とても貴重なものを当時のエピソードと共にお譲りいただきました。

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手秤(バネ式はかり)です。
新明和工業のOBの方が大切に保管されていたもので、
長い年月を経て、大和製衡へ寄贈されたという経緯に歴史的な価値があります。

1945年に創立された大和製衡は
「いつの時代でも必要とされるものを手がけよう」
と流行に左右されない堅実な企業像をめざしました。
その精神は現在も受け継がれています。

新明和工業OBの方のお話によると、新明和工業(当時は”明和興業”という社名)が
組織した「雑貨部」で大和製衡の下請けをしていただいていたことがあったそうです。
戦中、飛行機を作っていた”明和興業”が一時的とはいえ
はかり製品を作っていた時期があったなんて!
私たちも初めてお伺いしたエピソードだったので、とても驚きました。

バネ式はかりや上皿秤などを作られていたそうです。
当時下請け作業をしたN島氏(故人)の回顧によると、川西航空機時代の
溶接の第一人者であるT中氏が上皿秤のフレームを溶接するほか、
さお秤の目盛竿をアルミ棒で作る作業をI泉氏(故人)と共に作業したとのことでした。
I泉氏が大切に保管していたバネはかりを今回譲り受けたのです。

溶接の第一人者としてリスペクトしていたT中氏との
思い出が詰まっているのかもしれません。

これは完全にNの妄想ですが尊敬する先輩に初めて褒めてもらった
素晴らしいできばえのバネはかりなのかも…。
映画のワンシーンのようです。

「I泉くん…もう一人前だな。立派なバネ式はかりだ」
「Tさんっっ…うぅ(泣)」的な会話があったりして。

こういう妄想が楽しめるから古い品物は面白いですね。
しかし、史実は確認したいので、OBのI氏に詳細をお伺いしました。

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OBのI氏の解説
「大和製衡の社章が入っているところが値打ちポイントです。
新明和が戦後立ち上げの時に御社から下請けした製品のひとつです。
昭和24~25年頃はまだ日本は占領下だったわけで、ものによっては
made in occupied japan(占領下日本製)の刻印を打たなければ
輸出ができなかったとも聞いています。この製品が輸出対象品だったか
どうかは分かりませんが…」


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ぜひ、歴史展示ルームにお越しの際はドラマの詰まった
バネ式はかりにもご注目ください。
他にもそういった歴史ドラマが詰まっている製品が満載です。